西尾維新/小説レビュー [化物語/偽物語]
ラノベ(ライトノベル)の著者として人気の高い西尾維新さんの作品[化物語/偽物語]を読んでみた(?)。
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2009年の秋にアニメになり、かなりの反響があった化物語、その続編(その後の話)である偽物語ですが、アニメ/小説共に人気ですね。
アニメはDVDが飛ぶように売れたそうで、DVD第2巻は初動で3万9000枚という売上を達成したらしい。
テレビアニメ史上最高の売り上げだそうで、どれだけ人気があったかが伺えます。
アニメ版は西尾維新さんが作る独特の間や章の切り分けを、アニメ制作会社シャフトの独特で異質とも言える描写でうまく表現されています。
西尾維新さんの作品で一番の売りなのは言葉の掛け合い(会話劇)だと思います。
主人公である阿良々木暦がツッコミとして、色濃い登場人物達と様々な会話を展開していきます。
アニメでも小説でもこの言葉の掛け合いの場面が多い。
その場面場面をよくよく思い出すと、ほとんどの場合二人きりの会話でしか行われないのが解る。
そうなると、もはや面白い上にギャグセンスの高い漫才を見せられているようにも受け取れる。
なのでアニメ版はとにかく面白いのだ。
上記に「アニメ版は面白い」と書いた理由は至って明白で、小説版(原作)は私にとって受け入れにくい物だったからだ。
アニメは視覚と聴覚で感じる事で楽しむ物だが、小説は視覚と[想像]で楽しむものであると思う。
こうした時に、単に小説で読んでいると「単なる高校生」が漫才のネタを道ばたで繰り広げているのである。
しかも、かなり高度な。
そんな高校生をイメージできるであろうか。
ここまで言わせてもらえば解ると思うが、会話の内容に現実味がまったく無いのだ。
主人公がちょっと現実的には言わないであろうカッコイイ(キザな)セリフを口にするのはまだ許せるのだが。
アニメ版の1話目(小説だと1巻目)にヒロインの戦場ヶ原ひたぎのセリフで以下のような物がある
「銅40g、亜鉛25g、ニッケル15g、照れ隠し5gに悪意97Kgで、私の暴言は錬成されているわ」
このセリフに主人公がツッコミを入れる訳だが、こんなセリフが会話中にすらっと出てくるような日常会話をイメージできるだろうか。
結果、私には無理でした。
アニメで見れば受け入れられる物を、小説で読むと受け入れられなかったのです。
アニメを見てから小説を読めば、若干緩和されますがそれでも違和感は残ります。
そんなこんなで、小説版は個人的にはお勧めしない。
が、人気があるからアニメ化されたわけで、問題なく読める人もいるのだろう。
西尾維新さんの小説はどれも1冊800円近くと、他のラノベの倍の値段するので
一度立ち読みで確認する事をお勧めします。
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